日常に息づいている「怪談的なもの」を
掘り起こしていきたい |
ひがし・まさお●『幽』編集長、怪談之怪発起人の一人、アンソロジスト。1958年神奈川県生まれ。元『幻想文学』編集長。bk1で「怪奇幻想ブックストア」を展開中。主な編著に『稲生モノノケ大全
陰之巻』(毎日新聞社)、『怪談之怪之怪談』(京極夏彦、木原浩勝、中山市朗と共編/メディアファクトリー)ほか多数、『伝奇ノ匣7 ゴシック名訳集成』(学研M文庫)が近日発売予定。 |
――創刊までの経緯を教えてください。
今から5年ほど前に、作家の京極夏彦氏、『新耳袋』の木原浩勝・中山市朗両氏と4人で〈怪談之怪〉を結成し、本誌を拠点に様々な活動を行ってきました。今回の旗揚げは、そうした実績を踏まえての集大成であり、さらなるステップアップへ向けての第一歩でもあると位置づけています。まあ、個人的には、昨年の『幻想文学』終刊をうけて、またぞろ懲りずに、新たな雑誌を創りたいと煩悩の虫が騒ぎだしたという感じなんですが(笑)。
――どういう雑誌にしていきたいと?
怪談専門の総合誌を目指したいと思っています。実話と小説とコミックを三本柱にした極上の怪談エンターテインメント・マガジンであると同時に、古今東西の怪談文化を探求し、再発見するためのメディアでもありたい。
実は『幽』という誌名に正式決定するまで、スタッフの間で『怪談生活』という仮称が使われていたんです。これは別に某通販雑誌を意識したわけではなくて(笑)、私たちの生活とか日常に息づいている「怪談的なもの」に積極的に目を向けて掘り起こしていくような雑誌にしたいという基本姿勢によるものでした。
――このほど公表された創刊ラインナップ(こちら)には、凄い顔ぶれが並んでいますね。
怪談という見地から、注目すべき活動をしていらっしゃる表現者の方たちに総登場していただきたい! という意気込みで依頼を始めたのですが、まさか、これほどスムーズに、しかも皆さん、こちらが気圧されるくらいの熱意をもって応じていただけるとは予想外のことで、大いに感激もし、またありがたいことだと思っています。小野不由美さんと京極夏彦さんが、あるいは花輪和一さんと諸星大二郎さんが、実話怪談をベースとする小説や漫画に腕を競うなんて、到底この世の出来事とは思えないじゃないですか!(笑)
スケジュールのご都合で創刊号には間に合いませんでしたが、今後もアッと驚く方たちが参戦される予定ですのでご期待いただきたいと思います。
――6月の創刊へ向けて、読者の皆さんに特にアピールしたいことは?
巻頭特集で、今年没後100年を迎える小泉八雲を取り上げますが、これは、持ち前の怪談趣味を通して古き良き日本を発見した八雲の姿が、現在の私たちと重なるように思ったからなんですよ。本誌を通じて怪しい話に触れることで、日本という国の素晴らしさを再発見していただけたら嬉しいですね。