|
|
|
|
ISBN4-87233-737-9
定価:本体850円(税別)
|
|
|
|
|
|
|
|
この文章は僕地震のエクソダス――『出トウキョウ記』であり、その失敗の連続だ。/具体的にいえば僕は三度脱出できなかった。(本文より)愛は確実に届けられる。だからこそ、今を生き続けるのだ。負けつづけた年代記から、決して逃げない「僕」の脱出記。
|
|
|
|
いっさいが過不足のない短編小説というのはあり得るのだろうか? 当然のように「そんなもん、ねえよ」と生意気に思っていた僕が、うわあパーフェクトだ、と叫んでしまったのが村上春樹著の『中国行きのスロウ・ボート』だった。
でも、どうして100パーセントと感じてしまったのか?
僕のなかにその作品の場所があったのだ、はじめから。
この『中国行きのスロウ・ボート』のための場所が。だから、読後に僕は鳥肌をたてた。
それほどの作品をカバーする以上、僕は徹底的にリアルさを追及しなければならない。僕にとってのリアルを、だ。僕は「東京」という切り口にしようと決意した。オリジナル版に触れたことのある読者には、意味は解してもらえるはず。
東京と中国の距離を僕は描く。僕なりに――リアルに――僕の内側の“そのための場所"をノックして。
ほとんど赤裸々に。レット・ゴー。
|
|
|
|
|
古川日出男(ふるかわ・ひでお)
1966年福島県生まれ。早稲田大学第一文学部中退。編集プロダクション勤務、フリーライター、舞台演出家等を経て98年に『13』(角川文庫)で作家デビュー。4作目となる『アラビアの夜の種族』(角川書店)で第55回日本推理作家協会賞、第23回SF大賞受賞の2冠制覇を達成した。
|
|
|
 |
|
|